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たかがエロ漫画、作者が解説などと称して作品の内容について
べらべら語るというのも、どうかとは正直思うんだけれど。

でも今回の単行本はかなり以前(漢字のペンネームを名乗っていた
いわゆる「拔山蓋世イヤーズ」)の作品ばかりという事もあり
「その当時色々考えていた自分」というのを尊重してあげたくなったので、
今回は気が済むまで書いてみようかなと。



…単行本の後書きでは、「絵の雰囲気」が「個人的には
大して変わってないと思っている」…と書いたけど、あれウソ。
実は今回、ものすごく加筆修正を施している。

元の原稿は流石につたなすぎて、今更人にお見せするには
問題が山積だったのだけれど、作品自体には思い入れがあったので
まずサンプル用に加筆修正した原稿を
(短かったから無駄になってもそれ程困らない様に「赫のいろふし」を選んだ)
ヒット出版社の担当氏に見て頂いて、単行本化OKを貰ったという次第。

まあその後が大変だった訳で…






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…それじゃあ折角なので、今回の改稿手順の解説でも。

まず上図が雑誌に掲載した時の原稿。見て頂ければ判るけど
人物が下手…もう正視に耐えないとはこの事で。
それを現在の目で見ても通用するようにしないといけない。

背景も…特に2コマ目は、「花」をしっかり描いておくべきなのに
手を抜いてしまっているので、そういう足りない要素も
描き加えていく加筆が必要になる。





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スキャンしてPCに取り込んだアナログ原稿を
修正したのがこちら。

人物の絵に関しては基本的に修正したものを使って、
「描き直し」をするのは、出来るだけ避ける事にした。

一方背景は人物修正に伴って、やむを得ず消してしまう事が多く
こちらは全面描き直しというのもかなりあった。
…でもそういうケース以外は、人物よりも
「使える」絵が多かったのは意外だった。





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こちらが、紙原稿に新たに描いた加筆部分。
これをスキャンしてPC上で合成する訳。
植物関係は、昔描いたものはほぼ使えないと判断した。

右上の少女は、雑誌掲載時にあった「扉絵」を
ページ調整の都合で削る事にしたので
その代わりにアイキャッチ的な意味で入れる事にした。






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で、これが完成原稿。

少女の絵からパンチラが無くなっているのは、
どうもスカートの捲れ方が不自然過ぎたから。
まあ折角描いたのだから、こんな形でも公開出来てよかったかな?


…自分はアナログ原稿制作に「スクリーントーン」の類は
ほぼ使用していなかったので今回みたいな作業をするには正直助かった。

旧原稿の修正作業では「今の絵」に出来るだけ近付けて
加筆作業では(並べて見ても違和感が出ない様に)
その「修正した絵」に出来るだけ近付くように描いた。
…だから単行本全体を見ると、「昔の絵」でも「今の絵」でもないという
不思議な絵柄に結果的になったので、なんだか面白いと言えば面白い。


しかし一連の作業は、普通に原稿を描くのと
同じ位の時間がかかってしまった。
雑誌掲載時の作業を加えたら単純計算で「2倍」(!)。

いやあ、こんなご苦労な事やる人少ない訳だわ…



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