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[音にぬかずき] I Prostrane On The Ground Cherry



この漫画は大里俊晴の自伝的小説、「ガセネタの荒野」をヒントにしている。

同書は実在したロックバンド「ガセネタ」にベーシストとして在籍した
著者の体験を綴った、一種の青春小説。
当然実話が元になっているのだが、80年代日本のインディーズ音楽でも
極めつけにアングラな人々の当時の生態が判って、実に面白い内容。


…これまで紹介した本からは、少々傾向が違っているけれど(大体は幻想文学がメインだし)
ライブハウスを題材にして漫画を描こうと思った時に、脳裏に浮かんだのがこの作品だった。

だから漫画に出て来るライブハウスは、「吉祥寺マイナー」のイメージで
経営者だった佐藤氏に娘がいたら…みたいな、妙な妄想から出来た作品だという。


でもモチーフはガセネタなのに登場するバンドのイメージは、その時話題になっていたデビュー当時の
Black Rebel Motorcycle Clubだったりする。…まあそのバンドの曲を実際に聴いたのは、
原稿を描く段になってようやくだったんだけど。相変わらずいい加減だな、我ながら。




それからこの漫画だけ雑誌掲載の初出時期が、例外的にかなり最近なのだが…
実はプロットとして一旦形にしたのは結構前の事だったりする。
旧原稿の単行本化が決まり、ページ合わせの新作原稿用に再利用したという次第。



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